コラム

hummingbird No.49 「共生再生」

2026年夏至を過ぎ、今年も夏越の大祓となりました。出先でたまたま通りがかった神社さんの狛犬に惹かれ進んだ先に茅の輪を見つけ、くるくるとくぐらせていただきました。
この季節の雨は浄め、祓い、穢れを流してくれている様な気がしています。
雨が続き、ゴミ拾い散歩が数日空くと拾うものが多くなり少々時間がかかります。
霧雨程度なら心地よいので出るようにしていますが、濡れた紙ごみ、特にタバコはボロボロになりやすく苦戦します。それがうまく取れた時の爽快感(笑)。夫が参加するようになって1年になるでしょうか。仕事のこと、家族のこと、お互いの心を知る大切な時間になっています。
顔見知りも増え、笑顔で挨拶を交わせる喜びもいただいています。書き出したら良いことしかありません!

毎年梅シロップを作るために梅を購入していましたが、今年はその他にも沢山いただいたので数年ぶりに梅干し作りをしています。土用干しの期間は、日々その変化を観てはワクワクしていたのを思い出し、梅雨明けが待ち遠しいです。

さて、『式年遷宮(しきねんせんぐう)』をご存知ですか?
伊勢神宮において1300年続く、20年に一度の壮大なご神事です。「遷宮」とは宮を遷(うつ)すこと。準備は8年余り。必要な木材に関わる「ご神木のお祭り」が3年、そして「社殿建築のお祭り」「神遷しのお祭り」となります。
昨年5月、遷宮の始まりを告げる「山口祭」が営まれ、その後も続いていくご神事の様子は「第63回神宮式年遷宮-ご神木篇-」としてYouTubeにて公開されています。
雨で澄み切った空気の中、厳かにご神事は執り行われていくのですが、印象的だったのは御用材を伐採するにあたり、山の神に向かい大きな声で許しをいただき、古式の作法で切り倒していくその流れ。あらゆる自然の中に神が宿るとし、命あるものをいただくことへの祈りや感謝が、ひとつひとつ全ての動作に生きています。

私はこの場面でスタジオジブリの「もののけ姫」を思い出しました。自然と人間の『共に生きる』について考えさせられた映画です。文明の進化と隣り合わせる自然破壊、共生できていたはずのものがそのバランスを崩した途端、戦うことになっていく。
『八百万の神』、日本における神道は神聖な存在を森羅万象、自然のあらゆる中にあると信じてきました。かつてのアイヌ文化や縄文時代の生活に触れると自分の中に残された遠い先祖の記憶が反応するのは私だけでしょうか。今を生きる私たち、日々の生活の中で自然に祈ること、感謝することはありますか?
私たちの先祖が大切にしていたものは私たちのこの身体のどこかで息づいているのではないでしょうか。
戻るのでもなく、進歩を否定するのでもなく。進む中で決して忘れてはいけないものが置き去りになっている様な現代に、「ハッ」と思い出させる存在が必ずどこかに在る。それに気づくか気づかないか、気付いても素通りするか。火を灯されたロウソクが風に消されそうになっても再び周りを照らす様に私は心の中の灯を守り続けたい。

そんなことを書き進める中で、美輪明宏さんの訃報を耳にしました。
「もののけ姫」で山犬“モロの君“の声は、圧倒的な存在感でその世界に引き込んでくれた、美輪さん。
人間の愚かさも強さも美しさも、言葉だけではないものも、多く遺してくださいました。
公式HPに遺された最後のメッセージを。
「こんな世の中を 生き抜く武器は 愛の言葉しかありません
この世のすべての問題を 解く鍵は愛です 愛があれば 戦争なんか起こりません」
美輪さんの願いは、「この世からあらゆる差別、偏見をなくし、すべての人が平和で明るく楽しく生きていける共生社会の実現でした」。

最後に、伊勢神宮の式年遷宮で神様が遷られたあとの旧社殿ですが、その解体された古材は全国の神社に譲り渡されたり、移築することで活用されます。以下伊勢神宮公式HPより。
「式年遷宮は木を伐り、木を植える再生のお祭りでもあります。山や森の再生は数百年の時を経て甦り、新たな使命を神々から与えられ息づいています。その生命は大自然の摂理を謙虚に受け止めた人の手を入れることによって永遠に循環するのです。神宮の循環型システムは、古来自然とともに暮らし、感謝を捧げてきた日本人の営みそのものであり、神宮が「こころのふるさと」と呼ばれるゆえんです。」


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