コラム

hummingbird No.25 水の惑星 どんな水?

今年の夏至は翌日が満月ということで、陰陽満ちてとてもパワフルに感じました。
恋しそうに空を眺めていた紫陽花たちも、梅雨の到来にホッとしながらまた次のサイクルへと向かっています。茅の輪くぐりをして夏越のおお祓いもしていただき、2024後半も元気にスタートです。
”世界中のイスラム教徒が聖地メッカを訪れる大巡礼「ハッジ」では50℃を超え、熱中症などで1300人以上の死者が出た”という発表がありましたが、相変わらず欧米でも熱波による死者が相次いで出ています。干ばつによる、あらゆる命への甚大な影響・・・、年々激しさを増す様々な被害状況に、他人ごとではなく自分に何ができるか考え行動に移すことがとても大切だと思います。様々な場面を想定した備えはできていますか?

そろそろ時期が終わるどくだみ、今年は干してお茶を作り、このところ毎日飲んでおります。
私は、この季節特有の湿邪(しつじゃ)体質で、むくみがひどいのですが、ドクダミ茶は体内の毒素や老廃物を排出する働きがあるということなので、毎日せっせと摂取しております。心なしか改善に向かっているような気がします。
そして他には蒸留水作りもチャレンジしてみました。お茶にしても蒸留水にしても、癖の強い香りが和らいで、とてもクリアな優しさが感じられ、お気に入りです。お茶は煎りバージョンも香ばしくなり、より効いている気がします。(前向きな「気がする」は大切ですね。)
蒸留水はローションを作り、冷蔵庫で保存しながら毎日の洗顔後に大活躍、使用した出がらしは、晒に包んで湯船に入れ、最後の最後までお世話になっています。

さて、そろそろ夏休みの予定が決まった人も多いと思います。川や海など、水のレジャーを楽しむ頃になりましたので、今回は『地球の水』について考えてみます。
『水の惑星』地球、奇跡的な条件で生まれたこの美しいはずの地球ですが、今を生きる私たちの目に映るそれはどのような状況でしょうか?
実際に自分が身近で目にする範囲で感じることは、川にも海にも”ごみが多い”。そして”川の水量が減っている”。私が生まれる以前から水の問題は酸性雨・公害など様々ありましたが、現代で主に取り上げられる一つが『海洋汚染』ですね。海洋汚染の原因には『プラスチックごみ』『生活排水』『工場排水』『事故などによる重油流出』『農薬』などが挙げられます。
その中でも果てしないほどの問題である『海洋プラスチックごみ』、海の生物が漁網に絡まってしまった姿、死んだ水鳥や魚を解剖すると大量のプラスチックが出てくる映像、2019年には死んだクジラの胃に100kgのプラスチックが詰まっていた、というニュースもありました。もしピンとこない方は一度検索してみてください。
プラスチックは自然分解されず、マイクロプラスチック(5㎜以下)となって漂い続けるので魚の体内に入り、それを食べる人間もまたプラスチックを食べているということです。(一週間にクレジットカード一枚分を摂取しているといわれています)
また、一人当たりのプラスチック容器包装の廃棄量(2014年調べ UNEP報告書より)はアメリカに次いで日本が2番目に多く、一年で1人約35kgのプラごみを捨てている計算になります。
私も数年前に子供の自由研究で『家庭から出るプラスチックごみ』を一週間調べたことがありますが、家庭ごみのうちのほとんどがそうであることがよくわかり、素材や包装を意識して買い物するようになりました。

私は秩父の美しい自然に包まれて育ちました。家のすぐそばに流れる荒川では”化石探し”をし、冷たく流れの良い沢では日が暮れるのも気づかないほど熱中して沢蟹探しをしたものです。豊かな自然、それが当たり前だった幼少期ですが、20数年を経て、「あの素晴らしい恵みを子供たちにも体験してほしい」と胸躍らせて走った私の目に映った景色は、あの頃とは違っていました。家の近くに海も川も沢もない、都会の真ん中で育った子供たちが十分楽しんでいる姿を横目に、喜べない、ざわざわと切ない複雑な気持ちになりました。
そしてコロナのステイホーム期、『chasing coral~消えゆくサンゴ礁~』というドキュメンタリー映画を観たことをきっかけとしてそれまで見てこなかった現実から目を背けてはいけないという想いで次々と調べ、「豊かな自然を汚し、多くの命を苦しめているのは私たち人間だ」という自責の様な思いでいっぱいになり、同時にこの先の未来を生きる生命たちに美しい地球を残したいと強く感じ、自分の行動を変えていくことにしました。

世界中で様々な取り組みがあります。オーストラリアで発明され2017年から導入された、海洋ゴミ回収機「シービン」は使いやすく管理もしやすいため現在は世界各国で導入されています。
私の知人はビーチクリーンで集まったプラスチックごみを使って海の生き物を表現するゴミアートを作っています。海洋廃棄物をリサイクルして糸にし、洋服の生地を作っている企業もあります。
私個人では、家庭からの排水に気を付けています。例えば洗濯洗剤は水中や地中の微生物によりすべて水と炭酸ガスに分解され自然に還る、と言われているものを使用。(これはすすぎ1回、おしゃれ着洗い可、食品の農薬洗い、掃除にも使えます)また、フリースなどを洗う時は洗濯によるマイクロプラスチックの流出を防ぐフィルター付きの洗濯ネット”グッピーフレンド”を使用、食器洗いは洗剤なしで洗える”びわこふきん”を愛用しています(油など気になるときは新聞紙や不要になった綿衣類を小さめに切ったものであらかじめ拭き取ります)。身の回りのプラスチック製品は他で代用ができないか考え少し手間でもやってみる。
何が正解かはわからないけれど、大切に思い行動に移すことが変化の始まりと思っています。
2050年には海にすむ生物よりプラスチックごみのほうが多くなる、とも言われています。
家庭での取り組みはとても小さく感じるかもしれませんが、小さな一歩こそやがて大きな進歩になっています。まず今、何も変えない選択から「これをやってみようかな」へシフトチェンジ!
この私の独り言がそのきっかけになったらいいなと願いを込めて。