コラム

hummingbird No.16 慈愛ご自愛

秋分の日を迎え、なんだかやっと過ごしやすい空気にホッとしております。
店先には秋の味覚が並び、食欲もそそられます。
身に纏う色も秋らしいほんのり黄みがかったくすみ色が気になる頃です。
自然の世界に存在するその季節ならではのものの色を参考にするととてもしっくりきますね。

さて、先日私の住む場所からすぐのところで「気候マーチ」がありました。
今年も酷暑で農業への影響も大きく、この気候変動による未来への様々な不安を抱く人々が、それでもその未来を明るいものにするのだ!という希望と思い思いの言葉をプラカードに込め、それを掲げながら町を歩いていきます。
私は参加できませんでしたが、友人が企画から頑張っていました。
たくさんの仲間が力を出し合い、当日も無事にマーチができたという様子がSNSで伝わってきました。子供から大人までそれぞれが「大切にしたいこと」を胸に参加していました。そのような形で「声を上げる」ということはなかなか勇気のいることかもしれませんが、同じような想いを持った仲間たちが集まると、一人では届かない声もどこかへ響いているかもしれないという希望が生まれます。

一方で先日、「SDGsは陰謀論だ」という言葉を耳にしました。
そこは議論を交わすような場ではなかったので、異を唱える人もなく、その様な捉え方もあって実に面白いと思いながら一方的に聴いておりました。
同じ頃、娘の中学校の学校見学に行った際、国語の授業で「様々な社会問題について調べそれについて自分の考えをまとめ述べる」という課題に取り組んでいました。
LGBTQやいじめなどの人権問題・気候変動問題・生態系問題・プラスチック問題・虐待・食品ロス・・・「問題」と言ってしまうと苦しくなってしまいますがまさに現実で起きている様々な事象を取り上げ、実態とそれについて自分または社会はどうしたら改善されると思うか、発表されたどれもがよく考えられていて問題改善についての提案も素晴らしく頼もしい姿でした。

このコラムも、『SDGsに関すること』ということで始まりましたが、こうした問題と向き合う時、私がいつも感じていることは「まずは自分の平和」から、ということです。問題は真剣に向き合えば向き合うほど難しいことも多く、また簡単に解決できないからこそ長い歴史の中で問題となってきているわけで、実際に真剣にアクションしてきた人の中でも「バーンアウト」と言われるいわゆる「燃え尽き症候群」となってしまう人も多く存在するのが現実です。そんな時いつも、やはり大切なのは「まずは自分自身」と感じています。
自分自身が健やかであることで初めて周りのことにしっかり向き合うことができる、「サスティナブル=持続可能な」という言葉はとても深いですね。

自分を大切にすることは、案外できていない人が多いと思います。
働き方改革ということで以前よりはずっと見直され改善されたと思いますが、みなさんはいかがですか?
「24時間働けますか!?」というCMが流行っていた時もありましたが、今は違いますね。まずは自分を満たす。そうして初めて健全な力を出せるのではないかと思います。
自分を大切にできると、周りにもできるようになってくる、優しさを含み、身近な人から、そしてそれはぐんぐん広がっていく。
自分を満たせていますか?思いきり歌ったり、踊ったり、ボーっとしたり、スポーツをする、スポーツ観戦、登山、海へ行く、旅行、食べる、寝る、、、、、とにかく今自分の心が求めることを思い切りやってみる時間を作る。まずはその、自分が何をしたいのか知るところからですね。忙しく頑張っている人こそ「忙しい」など言い訳にしがちですが、ONとOFFの切り替え、出来ていますか?いつも頑張ってくれている自分に感謝していますか?まずは自分から。