冷たい空気の中にも春の日差しに心が躍り、いつもより散歩に時間をかけたくなります。思いがけず出会えた満開の梅があまりにも香り良く、なかなかその場を離れられなかったり、目や耳が感じ取るものが爽やかになってきました。
三寒四温でまだまだ寒い日もありますが、やはり心は春らしい色のものを身に着けたくなります。
さて、突然ですが「先週、あなたが休日に身に着けていたもの」はいったいどこで、誰がつくったものでしょう。
『ラナプラザ崩落事故』を覚えていらっしゃいますか?
初耳の方もいらっしゃるかもしれません。
2013年にバングラデシュで発生、4000人以上の犠牲者を出した『ファッション業界史上最悪の事故』と言われる、商業ビルの崩落事故です。
このラナプラザビルには、世界的アパレルブランドの下請け工場が数多く存在していました。
違法な建て増し、建築基準に満たない構造だったこのビルは、当時、柱や壁に大きな亀裂が見られ労働者たちがビル崩壊の危険性を訴え、現地警察が退去勧告をしていた
にも関わらず、所有者や工場経営者は忠告を無視し労働者たちを脅迫し働かせていたそうです。
この事故は、劣悪な労働条件、作業内容や労働時間に見合わない低賃金で働かせる工場=スウェットショップ(搾取工場)の象徴であり、またその中にはパワハラやセクハラ、児童労働や強制労働などの非人道的な労働環境もみえてきます。
更には緩い環境法を悪用され、未処理の廃棄物がそのまま川に流されるなど、環境汚染が人間のみならず生態系にも悪影響を及ぼしているのです。
先進国にあふれかえる大量の衣料品の裏側に多くの犠牲があることは、衣食住に困らない私たちにはなかなか考え及ばないことかもしれません。
アパレル業界はSDGsを考えたとき、17の目標のどれもが大きく関連してくるようです。
この事故を振り返り、消費者としての自分にできることは何か考えてみると私たちの選択はとても責任があり、そして希望もあることに気づかされます。
出来る限り「買い物は投票」と思いながら、買うことから使い方、さらにその先まで考える「責任」を持ちたいと思いますし、そういった想いとは離れた買い物をする時にはせめてそれが「どこで、誰が」作ったものなのか思いを巡らせ感謝したい、と思います。また、ファストファッション(低価格ながらも最新の流行を取り入れた商品を、短期間のサイクルで生産、販売するファッションブランド)業界の中でも様々な取り組みがあるので、賛同できることには積極的に参加してみることも一歩です。私はユニクロさんの「RE.UNIQLO」(不要になった服を回収し、リユースとして活用し、難民キャンプや被災地への緊急災害支援など、世界中の服を必要としている人たちに届ける、リユースできない服は燃料やリサイクル素材として活用することで、服のチカラを活かしきる取り組みを進めている、さらに、服から服へのリサイクルとして、ダウンリサイクルを開始)を知ってからは店舗に設置してあるリサイクルボックスへ出しに行ってみました。
最後に、私が選択している一つの「フェアトレード」について。
フェアトレードとは開発途上国で作られた製品を適正な価格で購入することで生産者を経済的にサポートし持続可能な成長を目指す貿易の仕組みを言います。
食品、ファッション、雑貨、化粧品などがありますが、私は月に一回定期的にPeopletreeさんの商品を購入しています。板チョコとドライフルーツは子供たちもおやつで美味しくいただいています。
HPではその商品がどこの国でどんな団体が作ったのか詳細を見ることができるので、「買い物」がとてもクリアで気持ちがよく、そしてきっとその物を大切にすることができるのでオススメです。
よろしければ是非一度HPをチェックしてみてください。