2023年が始まって早くも一か月が経とうとしています。
皆さん今年はどんな年にしたいか具体的に考えられましたか?
抱負などは、心の中にしまっておくよりも書いたり、口に出すことでグッと実現しやすくなるそうです。
私は100の『WISH LIST』(叶えたいこと)を書き出しました。
娘に「どんなことを書いているの?」と興味を持たれたので、昨日いくつか読み上げてみました。
すると「これ、もうできてるね!」というものがあり嬉しい驚きでした。「書く作業」は『プライミング効果』に繋がるといわれています、これは「事前に見聞きしたことがその後の判断や行動に影響を与える」という心理現象をうまく
利用するということなのですが、ご自分の2023について、まだ特に何もきめていなかったなぁとか、頭の中でぼんやり考えていただけ、などという方は是非この1月中に文字にしてみることを試されてみてはいかがでしょうか?
さて、先日、実は伝統工芸品に目が無い私、「日本民藝館」へ行ってまいりました。
日本民藝館は、「民藝」という新しい美の概念の普及と「美の生活化」を目指す民藝運動の本拠として、1926年に思想家の柳宗悦(1889-1961)らにより企画され、実業家で社会事業家の大原孫三郎をはじめとする多くの賛同者の援助を得て、1936年に開設された。現在の経営母体は公益財団法人で、登録博物館として運営。「民藝品の蒐集や保管」「民藝に関する調査研究」「民藝思想の普及」「展覧会」を主たる仕事として活動している。
(日本民藝館HPより)
現在は『生誕100年柚木沙弥郎展』が開催されていて、鮮やかで大胆でありながらも心がホッと落ち着く染物の数々に、福福と満たされてまいりました。
展示の中で、異国の家具など様々な作品とのコラボレーションがありましたが、違和感が全くなく、むしろやはりどこか落ち着く。どんなものと存在していてもしっくりくるのはやはり素材が自然のものだからなのか冬の寒さも忘れるぬくもりを感じられました。
柚木さんの作品の他にも各地の陶磁器・木漆工・金工品・絵画など多数展示されていて、温かみのある落ち着いた木造の展示室の中で静寂に包まれて、まるで旅するように楽しむことができます。
ちなみに写真の中央にある蠟燭は売店で購入した櫨蝋燭(※)です。炎の色や大きさ、ゆらぎにもうっとりしますが、音まで素敵です。
※櫨 (ハゼ)の実から搾り取った 木蝋 (もくろう Japan wax)を加熱して熔かしたものを、 和紙 および 灯芯草 の 髄 から作った芯(灯心)の周りに手でかけ、乾燥させてを繰り返して作る。
日本民藝館の創設者であり「民芸運動の父」である柳宗悦氏がのこされた多くの著書の中からこちら。載せられた品々を調べるためにほぼ日本全土を旅されています。この『日本民藝地図』から、その風土や特色が生かされた尊い手仕事の数々がわかり、たちまちその地を訪れたくなります。
秩父の銘仙も載っていますよ。
しかしながらこちら戦時中に書かれたもので、序章にもある通り、「すでに過去のものとなったものが見出されます」。
時代の流れとともに変化するべきもの、削ぎ落していくものは多くあります。特に「時短」「利便性」が重視されるようになってからは人間の手足を使うことが減り見失ったものは増えたのではないでしょうか?
しかしやはり失くしたくないもの、残されるべきものもまたあり、そこにはサスティナブルかどうかというようなものでは測れない、『心』が存在していると感じています。もちろん、手仕事で一つ一つ丁寧に作り出されたものは丈夫であり、補修することでまた新しい味を持ち次へ繋いでいくことのできる美しい強さがあります。
私たちの住むこの「日本」には素晴らしい自然・伝統文化があります。
自然に生かされていることを忘れずに、大切なものは守り続けながら新しくもありたい、ちょっと贅沢そうな願いですが、そんな想いで始まった2023年です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。