施工事例

2022年10月 - 橋りょう修繕工事(白川橋補修工)

国道140号が現在のルートに整う前、秩父往還は荒川贄川宿手前まで荒川右岸の白久地区側を走っていました。当時、三峯方面へ行き来するためには「栃の木坂の渡し」を経由して贄川宿側に渡らなければなりませんでした。
この渡しは1700年代半ばから存在したと言われていますが、1929年に旧白川橋の完成したことで役目を終えて廃止となりました。旧橋完成によって車両の通行が可能で交通量も増えバスも通行しましたが、吊り橋の旧橋を通行する際に乗客は降車して徒歩で橋を渡っていました。それほどに利用する人たちにとって大切な橋だったことが想像されます。この橋は1963年に新橋完成した後も存続要望がありましたが、利用を続ける人たちの危険回避のために1970年に解体撤去されました。現在はそのアンカレイジがレジャー施設の「秩父ジオグラビティパーク」の吊り橋「キャニオンウォーク」に再利用されています。

本橋は1963年に架設され1992年に歩道設置を含めた拡幅工事がおこなわれていますが、本工事は歩道(下流側)用高欄が更新されました。
旧高欄に取り付けられていた旧荒川村の木の「しだれ桜」(下流側)のデザインパネルもそのまま取り付けられました。今回工事対象とならなかった上流側の高欄には旧大滝村の花の「シャクナゲの花」が取り付けられています。
作業は、旧高欄とアンカーボルトの撤去から新高欄のアンカーボルト設置と高欄設置の工程で行われました。現場は秩父鉄道三峰口駅からレジャー施設「秩父ジオグラビティパーク」や贄川宿「かかしの里」への間にあります。多くの行楽客が歩を緩めては山々の景色を楽しみつつ橋を渡っていきます。高欄の更新工事は当社が多く手掛ける工事ですが、歩行者の通行経路の安全にも十分な対策を講じて施工されました。


工事名  : 橋りょう修繕工事(白川橋補修工)
工事場所 : 秩父市荒川白久地内
工事期間 : 2022年2月-2022年10月