コラム

hummingbird No.28 感覚を研ぎ澄ます

秋分を過ぎ、段々と「陰」のエネルギーが強まってきました。
2024年もあと3か月の今、ふとここまでを振り返ってみるとどんなことを感じますか?
私は特に暑かった時期に、身体が思うように動けない日が多くなり、日頃当たり前のようにしていること全て、些細なことまでが「出来ることがどれだけありがたいことなのか」をしみじみ感じるようになりました。同時に『思いついたら出来る限り早めに行動しよう』と背中を押されている感覚です。今年やっておきたかった事など、まだできていないことや挑戦したいことがあるならば、この3か月で一つでも叶えられるよう大切に過ごしたいという想いです。

さて、『green washグリーンウォッシュ』という言葉をご存知ですか?
グリーンウォッシュとは、エコや環境に良いイメージとして使用される『グリーン』と、『ホワイトウォッシュ』(「うわべだけ」「取り繕う」)を合わせた造語です。
環境に配慮しているかの様に見せかける、実態が伴わない行動や表現を指します。
人々の意識・関心が『エコ』へと向くようになるにつれ、そういった企業が”次々出てきました。
例えば、『オーガニック』『リサイクル素材』『環境にやさしい』など一見良さそうなキャッチフレーズを使う、広告に企業と無関係な自然や環境に良いイメージにつながるような画像を使う、根拠のない主張、などが挙げられます。
実際に大手企業で問題となった例として、ある飲食店ではプラスチック製ストローをやめ「100%リサイクル可能」とし紙製ストローに切り替えましたが、実際は強度の問題で厚みを持たせたためリサイクルできず廃棄されていた。他には、COP27(国連気候変動枠組条約の締約国会議)を後援しているとしながらも、その会社自身が年間1200億本の使い捨てペットボトルを生産しているということで、世界でもトップクラスの汚染企業と指摘される、などがあります。

日本でも、『環境に配慮した製品』『堆肥化可能で生分解性である』などと根拠なく製品表示した企業数社が消費者庁から措置命令を受けています。
実際のところ、消費者として何が環境に良くて何が悪いのか、すぐに判断できる人ばかりではないですし、手に取ったものに良さそうな言葉や写真などがあればそれを信じてしまったり、テレビやCMなどの情報はうっかり思考停止状態でまるで刷り込まれるように購入に導かれがちではないでしょうか?
(環境に良いかどうかよりも、今は使いやすいことの方が大切!など、大切にしたいポイントは人それぞれなので、今回ここで取り上げるのは環境を考えて買い物をしたい場合のお話です)

物質的にも情報量も、豊かどころではなく溢れかえっています。
そんな多くの選択肢の中から自分が何を選ぶか、自分自身はどうしているのか考えてみると、まさに『無知の知』、自分は無知であることを自覚することから始まりました。そして『ただなんとなくみんな使っているから』『良さそうだから』ではなく『自分の感覚』を研ぎ澄ますようにしました。溢れかえる情報にも調べられる範囲で触れてみます。時に不安や混乱にもなりますが、そんな時、私にとって大切にしたいポイントは、出来る限りその製品が何かの犠牲の上に成り立っていないことです。例えば、エコ素材を謳う衣料品の裏で過酷な労働が存在していないか?など。そして最終的に自分の中の感覚を信じます。それでもやはり使ってみて初めて分かることもあるので、その経験は次に活かします。

それは本当に自分の大切な時間やお金を投資する価値のあるものですか?
応援したいものですか?人ですか?
『買い物は投票』だ。そのお金は世の中で平和に循環しているでしょうか?