朝夕秋の虫の音が響き、涼しい風を感じられるようになってきました。
南海トラフや大きな台風など、災害の報道に心がざわつく人もいらっしゃるのではないでしょうか?
または自分に関わらないことだと、どこか他人ごとになってしまっていませんか?。
8月30日から9月5日までは『防災週間』であり、9月1日は『防災の日』、9月は『防災月間』です。
ここで改めて、この意味について触れたいと思います。
内閣府の『防災情報のページ』によると、”日本はその位置、地形、地質、気象などの自然的条件から、台風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、高波、竜巻、防風、がけ崩れ、土石流、地すべり、地震、津波、火山噴火等による災害が発生しやすい国土となっている。また、今後、気候変動の影響により、災害のさらなる激甚化・頻発化が懸念されている。こうした我が国の国土の特徴に鑑み、政府、地方公共団体等防災関係諸機関を始め、広く国民が、前述の災害についての認識を深めるとともに、これに対する備えを充実強化することにより、災害の未然防止と被害の軽減に資するよう、防災の日、防災週間を設けることとしている”とあります。
一人ひとりの防災意識を高め、日頃から災害に対する備えをしておく。
日本は美しい四季の移ろいを感じられる自然に大変恵まれたところでありながら、それぞれの土地において様々災害は隣り合わせである、ということを誰もが認識しておこう、と頻発する災害がお知らせしてくれています。
さて、今回は二人の人物を紹介します。
まずは元ウルグアイ大統領で”世界で一番貧しい大統領”と言われたホセ・ムヒカさんです。
2012年リオデジャネイロで開催された『Rio+20 地球サミット2012 (国連持続可能な開発会議)』においてムヒカ大統領がスピーチした内容をまとめた子供向けの絵本があります。
夏休みに読書の宿題が出ていた小4の息子におすすめし、私も久しぶりに手に取りました。
ムヒカさんは在任中、大統領公邸に住むことを拒み、小さな農場で質素な暮らしを続けました。 収入の大半を寄付していたということから、人々は敬意をこめて”世界で一番貧しい”と呼んでいたそうです。
リオでのスピーチでは、人々に本当の豊かさを問いました。本当に向き合うべきはまず私たち人間の生き方を見直すことであると。このスピーチ以外にも残された言葉の多くに共感しましたが、何より私が好きなのは家族の形について話されたものです。「現代の家族はバラバラであり、やることが多いために時間がなく、高齢者の世話をすることができません。老人ホームに預けたり、別の施設で介護したりするようになります。人間は常に愛情を必要とし、愛し、愛される必要がありますが、こうしたことは世界中で起こっています。最悪の罰のひとつは孤独です。これは現代の問題です。日本にも高齢者が多いので、きっと日本にも問題があると思います。現代の生活が抱える問題であり、私たちは老人の役割を見つけなければなりません」
続いては、日本のシンガーソングライター藤井風さんです。
2020年のデビュー前からYouTubeでピアノ弾き語りなどを配信していて、独特の緩い世界観は今も何も変わらず、岡山弁から流暢な英語までのんびり話す穏やかな声とは裏腹な力強いピアノ、でも全体的に優しさがダダ洩れです。何とも言えないユルユル感は「ALL OK!」と全てを大きな愛で包んでくれている様です。
私は残念ながらハズレてしまいましたが、つい先日2日間、日産スタジアムでライブがありました。
そのライブではスマホでの動画撮影OK、そしてなんとライブ映像をYouTubeで無料生配信、アーカイブも終了日時未定で今なお配信してくれています。こんなことって、なかなか無いのです!ライブに参加できなかった人への愛が無限大です。私が過去参加した他アーティストのライブではどれも撮影禁止が当たり前でしたし、ここにはホセ・ムヒカさんのスピーチ、『本当の豊かさ』は物質的なものだけではない、人と人との幸せな関係を結ぶこと、に通じるなぁと感じます。
影響力の強い人が、こんな無限大の愛を振りまく風さんだらけになったらなぁとしみじみ感じています。優しさを受け取った人たちからまたさらにその優しさは広がっていく。そんな世界を夢見ます。
最後に、今回もある言葉を紹介します。
山形市にある山寺・宝珠山立石寺。創建貞観二年(860年)点台座主第三世慈覚大師円仁によって建立されました。
かの有名な松尾芭蕉の句『閑さや 巌にしみ入る 蝉の声』の舞台であります。
「崖をめぐり、岩を這って、仏閣を拝し、景色は静寂として、心の澄みわたるのをおぼえる」と記されています。
さて、その山寺にてお会いした「白い仏さま」、こちらは『万物供養阿弥陀如来様』とのこと。
仏様のそばにはこんな言葉が添えられていました。
”私たちが毎日生活していくために、自然の恵みや多くの食べ物などあらゆるものが必要です。これらのすべてのものの生命を供養してくださるのが正面の仏さまです。日日生かされ生きていることに感謝を捧げ、幸福を祈りましょう。”
日々、私たちのこの命は沢山の生命をいただいて生かされていることを忘れてはならないと思います。