パリオリンピックが開幕しました。甲子園も始まると益々テレビから離れられなくなる人も多そうですね。この頃は日の出の時間でも既に”暑さ”を感じる日があり、「涼しいうちに」と表していた時間帯の気温も徐々に上がってくるのでしょうか。
外作業の皆様、本当にありがとうございます。どうぞどうぞご安全に!よろしくお願いいたします。
さて、今回は2冊の本をご紹介します。
まず一冊目は『野草と暮らす365日』 山下智道著(2018年7月初版)
”野草研究家・ハーブ王子”山下さんのSNSでは、植物たちの写真がまるで息をしているかのような躍動感でとても美しいです。
こちらの本では、季節ごとに咲く野草たちの特徴からレシピなど、その扱い方が紹介されています。
私はコロナ期の不要な外出を控えなければならなかったとき、自分のすぐそばにある物の価値を見直そうと思ったことをきっかけに、身近に自然に育つ植物たちに目を向けました。そんな時に出会った本です。「これも食べられるんだ!」という驚きが多くて、「雑草」と一括りにされてしまう植物たちが実は宝物なのですよ、ということを改めて感じ、そのお恵みに感謝が湧いてきます。
コロナ明け、日常の慌ただしさの中で本棚に眠ってしまっていましたが、最近また身の回りの野草たちが元気に育っている姿を見て手に取っています。
そして2冊目は『暮らしは楽しくエシカルに。』 梨田莉利子著 (2023年9月初版)
エシカルとは「倫理的な」「道徳的な」という意味から「すべての存在がより良くあるために、多くの人にとって倫理的な行動(活動)を個々人で意識し、行っていくこと」を指します。
梨田さんはSNS上で、日々の暮らしの中で出来る、社会や環境にやさしい在り方を発信されていて、そちらで紹介されている生活のアイデアはじめ、素敵な考え方が詰まった本です。
”環境にやさしい暮らし”という情報は今や溢れるほど多く目にするようになりました。そしてそれはどうも重くなりがちでハードルが高く感じてしまうものだったり、または一見良さそうで実はどこかに負担をかけてしまっている部分に気づかないもの(グリーンウォッシュ)もあったりするのですが、梨田さんの発信されている内容はどれも本当に共感が持て、そしてとても軽やかなのが素敵です。
私も地球にやさしい暮らしを心がけていますが、この本からは沢山のヒントがみつかります。
それぞれの環境があるので、今の自分に出来ることを少しずつでも、出来る形で取り入れてみること。そこからまたそれぞれの形に変えていき長く続けていけることが大切なのだと思います。
身近なものを大切にする、暮らしの中で楽しく続けていく。
そんな想いの一つとして念願だった金継ぎにチャレンジしました。(金継ぎとは、割れたり欠けたりしてしまった陶磁器や漆器などを漆でつなぎ、修復する方法です。)
一つ一つの工程の間に何日か置く必要があるので予想より時間のかかる作業でしたが、手放さなければいけない(ゴミとして出さなければいけない)と思うものが再び味を変えて活躍してくれるようになる、幸せな素晴らしい文化です。それまでとはまた違った特別なものとなります。私はキットを持っていたので自宅で自分なりにやってみましたが、「これでいいのかな?」と思う箇所もあったり、もっと深めたいと思ったので、近いうちに一度体験で習ってみます。
最後に、今回はある歌の歌詞をご紹介して終わりにします。
今夏パリオリンピックの開会式をご覧になった方はご存知かもしれませんが、少し話題になった「青いおじさん」。
フィリップ・カトリーヌ氏の『Nu/裸』、日本語訳です。
もし人間が裸のままだったら戦争は起きただろうか? いいえ。
もし僕たちが全裸なら、どこに銃を隠すだろうか? どこに?
あなたたちが何を考えているかはわかりますよ。
でも それはいい考えではないですね。
裸に戻れば、元々金持ちとか貧乏なんてものはないよ。 そうだ。
やせていても太っていても、みんな単純にただ裸。 どう?
だから生まれたままの姿で生きよう。裸で。
裸で。ただの裸、そのままで。
裸で生きよう、動物のように。
動物たちはやり過ぎない。
コートを着たサルや帽子をかぶったペリカンなんて変でしょ。 やり過ぎだ!
ただ裸で。裸でいよう、裸で。
人間が今も裸のままで生きていたら、戦争なんてなかっただろう。 そうだ。
裸ならみんな姉弟ということ? うーん・・・
生まれたままの姿で生きよう。 裸で。
生まれたままの姿で生きよう。 ただそれだけで。
※フランスの三色旗(トリコロール)の意味:青=自由 白=平等 赤=博愛