秩父市一帯は河岸段丘の地形にあり、影森地区と久那地区は荒川を挟んで隣接しています。
本工事の柳大橋の上下流両方にある久那橋と巴川橋は1930年代前半に吊り橋として架設されましたが、現場付近は久那側(左岸)の河岸が低いことで、「柳の渡し」と呼ばれる渡し舟が往来に利用されていました。木橋として旧橋が架設されたのは1950年中頃、現在の橋は1968年の架設です。
本橋上流から下流にかけての「巴川の穿入蛇行」は平野の河川に見られるような大きな蛇行で、巴川橋の川面からの40m、久那橋影森側は30mほどの高低差があり、新第三期(2330~2000万年前)の地層を浸食している※と言われています。
橋の袂にある大きな柳の木が橋名が由来で、地元住民に大きな交通の利便性をもたらす重要な橋梁です。
※「やさしいみんなの秩父学[自然編]」より
本工事では老朽化した高欄の更新を行いました。
車道部分を交通止め規制し、歩道部分については中・高校生の通学を含めて多くの人々に利用されているため、工事期間中にはその都度作業を中断することで地元の人々の通行上の安全対策としました。
また橋梁本体の架設時期が古く地覆の幅が現在の基準とは異なるために、高欄は補強を加えた特別仕様となっています。
【工事大要】
延長165m
橋梁付属物工橋梁用防護柵(B種3本ビーム)325mアンカー工(穿孔φ28×250mm)390本アンカー工(穿孔φ24×130mm)390本
構造物撤去工橋梁用防護柵撤去(鋼製)320m
工事名:柳大橋補修工事
工事場所:秩父市上影森・久那地内
工事期間:2021年7月-2022年3月