コラム

hummingbird No.50 「洗濯選択」

この度の熊本県を中心とする地震により被害を受けられた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
安心して過ごせる時間が少しでも早く訪れますよう、一日も早く穏やかな日常が戻りますよう、心よりお祈り申し上げます。

子どもたちの夏休みが始まりました。毎日何かしらの家事をちょこちょこと手伝ってくれるので助かる時です。成長がありがたく感じると同時に、巣立っていく日が近づいていることも感じるようになり、嬉しいようで淋しくもあるこの頃です。今月はうっかりドジから人生初の骨折を経験し、家族や友人のあたたかさに触れ、すぐそばにあふれる優しさも沁みていました。
泣く泣くいくつもの予定をキャンセルし、引きこもりましたが、最低限のことだけをして数日過ごすことで改めて不必要な物事が見えてきて、動き出せたとき真っ先にいくつか処分しました、まだまだありますが日常に戻るとつい滞ってしまうものですね。

さて、こちらでも少し触れたことのある我が家の洗濯洗剤問題。
春ごろ、息子の切望にこたえる決意をし近所の薬局で一緒に洗剤選びをしました。
条件付きで、私はその洗剤は使わないので、使いたいときは息子自身が洗濯機をセットする、干す、たたむに責任を持つ、ということで決まりました。(数回はよく頑張っていました)この時点で既に頑固のぶつかり合いです。
とにかく香りを求める息子に対し、私は香りの強さにまいってしまうので、いちいち『香り見本』を嗅ぎながら「うゎこれは無理だ」「これなら大丈夫かな」などしながら選び、ついに買うとなれば「柔軟剤も!」と益々押してくる主張の激しい息子。
洗剤に柔軟剤効果も入っていると説明をしても「〇〇の家で使ってた」と、もはや説得力のない理由で猛プッシュされ、「違う香りが混ざって余計気持ち悪くなる」「何がしたいのかわからない」などこちらも言いたい放題の挙句、この際もう好きにやってみてください、という気持ちになり一度は彼の願いを叶えることにしました。

初めて手に取った『ジェルボール』という洗剤は不思議な触り心地で、ちょっと触れただけでも手にものすごい香りがついてしまう。既に構えてしまう強さを放っていました。がしかし、実際使用してみるとその洗浄力の高さには感動する自分もいました。
とにかく嬉しそうな息子を見ていると自分の大切にしたいものの複雑な絡み合いに心がゲッソリしつつも、『他との共存』を家庭という小さな社会でそれぞれ学んでいる、息子にとってもいい機会なのだと割り切り、洗剤の買い替えどきに改めてお互いの気持ちを話し合うことにしました。

【私が生活排水に気をつけるようになった理由】~きっかけは『A PLASTIC OCEAN』という映画~
人間の生活排水は海の生き物にどう影響するのか?海のゴミや汚染の約8割は陸からくると言われています。
生活排水に含まれるものには・食べ残し・油・洗剤・シャンプー類・化粧品・日焼け止め・マイクロプラスチック(衣類の繊維など)があります。これらが海へ流れ出ることで起こること
①海が栄養過多になる(窒素やリンの増加)→赤潮・青潮・酸欠
②サンゴ礁への影響(日焼け止めなどの一部の化学物質)→サンゴの白化、成長阻害→魚の減少・海岸の浸食など
③マイクロプラスチック→魚たちが食べる→食物連鎖

7年ほど前、この様な現実を知り生活スタイルの見直しをし、洗剤選びは私にできることの一つとして始めました。
環境に配慮した洗剤を選ぶ:なるべく植物由来で生分解されやすい製品(動物実験をしていない)
一時『香害』という言葉を耳にするようにもなりましたが、長女のクラスメイトで洗濯洗剤などの香りで体調が悪くなってしまう子もいて、学校から香りのきついものに配慮をするよう言われた時期もあり、とにかくシンプルにと思っていました。
これに対し、成長した息子からの主張は「汗や体臭のある人に対して影口を言っている人たちがいる、自分があるかわからないけれど洗剤の香りがあれば大丈夫なんじゃないかと思った」ということでした。

7年もの月日が経ち、今回改めて現時点での洗濯洗剤の環境への影響を調べてみると、当時よりかなり負荷は減っていることがわかりました。
・植物由来の界面活性剤 ・生分解性の高い原料 ・少ない量で洗える濃縮タイプ ・詰め替えやプラスチック削減包装 ・酵素を利用した低温洗浄 などの開発が進んでいる。そして、今必要な見直しとしては
・洗剤の適量を守る ・水と電気を無駄にしない ・衣類を長く使う ・マイクロファイバーの流出を減らす(天然素材の選択)

が考えられるようです。『私にできること』も更新作業が必要ですね。
温故知新の『知新』は子どもの声に耳を傾けることこそ一番近道なんじゃないか、と反省です。

「そんなに嫌ならもういいよ」と言わせてしまった多感な時期の息子の心に寄り添うことは今の私にとって何より大きな課題であります。夏休みは海を希望している息子と自然の中で、繊細な心は今どんなことを感じているのか聴いてきたいと思います。(どうせ言っても無駄、とシャッターを締められてしまう前に。間に合うかな!?)


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